母国への帰国を控えた外国人配偶者の出国イメージ|空港と荷物

配偶者ビザ|帰国前ガイド

外国人配偶者が帰国するとき厚生年金・国民年金の脱退一時金はどうなる?

長年日本で暮らし、保険料を納めてきた方が一身上の都合で母国へ帰る場合でも、条件を満たせば脱退一時金を請求できる可能性があります。 在留資格の整理とあわせて、出国前に確認したい論点をまとめました。

※ 本ページは一般的な案内です。支給の可否・金額・改正の施行日は個別事情と最新の公式発表によります。 請求前に必ず日本年金機構の最新ページと年金事務所でご確認ください。

こんな場面でよくご相談があります

  • ・日本人配偶者と離婚・死別・別居など、一身上の事情で母国へ帰ることになった
  • ・会社の厚生年金や、市区町村の国民年金を長年納めてきたが、帰国後はどうなるか分からない
  • ・再入国許可を取って出国する予定だが、脱退一時金を請求できるタイミングが不明
  • ・将来また日本で働くかもしれないが、今のうちに一時金を取るべきか迷っている

脱退一時金とは(公式の考え方)

日本年金機構によれば、日本国籍を有しない方が、国民年金・厚生年金保険(共済組合等を含む)の被保険者資格を喪失して日本を出国した場合、日本に住所を有しなくなった日から2年以内に脱退一時金を請求できる、とされています。

つまり「払った保険料がすべて戻る」制度ではなく、一定の加入期間がある外国人向けに、 老齢年金の受給資格に届かない場合などの救済として位置づけられる一時金です。 支給額の計算方法は国民年金と厚生年金で異なります。

国民年金の脱退一時金

保険料納付済期間等の月数が6月以上あることなどが要件に含まれます(未納期間は原則カウントされません)。

支給額は、最後に保険料を納付した月が属する年度の保険料額と、納付月数の区分に応じて計算されます。 2021年4月以降に納付がある方などは、計算に用いる月数の上限が60月(5年)に引き上げられた、との案内があります。

厚生年金保険の脱退一時金

厚生年金保険(共済組合等を含む)の加入期間の合計が6月以上あることなどが要件に含まれます。

支給額は、平均標準報酬額と支給率から計算されます。最終月が2021年4月以降の場合、計算に用いる月数の上限は60月(5年)とされています。

脱退一時金の請求前に年金記録と書類を確認するイメージ

請求前に押さえたい共通要件(要約)

  • 日本国籍を有していないこと
  • 公的年金制度(厚生年金保険または国民年金)の被保険者でないこと
  • 日本国内に住所を有していないこと
  • 老齢年金の受給資格期間(おおむね10年)を満たしていないこと
  • 障害年金などの年金を受ける権利を有したことがないこと
  • 請求期限(住所を有しなくなった日などから2年以内、という整理)を過ぎていないこと

上記は日本年金機構の制度ページを踏まえた要約です。文言・例外は原文でご確認ください。

転出届・在留資格・再入国許可の関係

脱退一時金の請求では、日本に住所がないことが要件の一つです。 実務上は市区町村への転出届が重要なステップになります。

一方、出国の仕方には大きく分けて、(1)日本に戻る意思を残して再入国許可(またはみなし再入国)で出国する、 (2)在留資格を終了させて完全に帰国する、といった選択肢があります。 どちらを選ぶかで、将来の再入国のしやすさと、脱退一時金の請求タイミングが変わってきます。

改正の注意(施行日は未確定の整理)
厚生労働省の広報資料では、脱退一時金の見直しとして 「再入国許可付きで出国した外国人には、許可の有効期間内は脱退一時金を支給しない」こと、 および支給上限を現行の5年から8年へ引き上げることが示されています。 実施時期は公布から4年以内の政令で定める日とされており、 「すでに今日から絶対こうなる」と断定できる状態ではありません。出国計画を立てる時点で、最新の施行情報を確認してください。

参考記事で見かける「再入国許可期限を経過してから請求」「在留資格は必ず喪失する」といった説明は、 改正後の方向性や完全帰国のケースを強く意識した表現であることが多いです。 現行の手続可否は、必ず日本年金機構・年金事務所の案内で個別確認してください。

請求を急ぐ前に:一時金が不利になることもある

  • 受給資格期間(おおむね10年)に近い方は、一時金ではなく将来の老齢年金の方が有利な場合があります。
  • ・母国と日本の間に社会保障協定がある場合、加入期間の通算で年金受給につながる可能性があります。一時金請求前に協定の有無を確認してください。
  • ・一時金を受け取ると、その期間の年金加入記録の扱いが変わるため、「また日本で働くかもしれない」方は特に慎重な判断が必要です。

帰国前チェックリスト(配偶者ビザの方)

  1. ねんきん定期便・ねんきんネット等で、国民年金/厚生年金の加入月数を確認する
  2. 市区町村で転出届の要否・タイミングを確認する
  3. 再入国許可・みなし再入国を使うか、完全帰国かを決める(在留カードの取扱い含む)
  4. 社会保障協定の対象国かどうかを日本年金機構のページで確認する
  5. 請求期限(住所を有しなくなった日などから2年以内)をカレンダーに入れる
  6. 配偶者ビザ・家族滞在の終了や、帯同家族の在留についても整理する

公式資料・当事務所の関連ページ

よくある質問

Q. 厚生年金と国民年金、どちらにも脱退一時金がありますか?

A. はい。日本年金機構の案内では、国民年金・厚生年金保険(共済組合等を含む)それぞれに脱退一時金の制度が説明されています。加入状況によって請求できる内容が異なるため、ねんきん定期便や年金事務所での記録確認が有効です。

Q. 転出届を出せばすぐ請求できますか?

A. 転出届は住所要件との関係で重要な手続です。一方で、再入国許可の有無、被保険者資格の喪失、請求期限など、他の条件も同時に満たす必要があります。出国前に市区町村・年金事務所・出入国在留管理庁の案内を突き合わせるのが安全です。

Q. 再入国許可があるうちは請求できませんか?

A. 2025年の年金制度改正では、再入国許可(みなし再入国を含む)の有効期間中は脱退一時金を請求できない方向の見直しが示されています。ただし施行日は「公布から4年以内の政令で定める日」とされており、現時点でいつから適用されるかは公式発表の確認が必要です。現行運用と改正後で扱いが変わり得る点に注意してください。

Q. 長く住んでいたので、脱退一時金より年金を受け取った方がよいですか?

A. 受給資格期間(おおむね10年)を満たしている、または社会保障協定で母国の加入期間と通算できる可能性がある場合は、一時金より将来の年金受給を優先した方がよいケースもあります。一時金を受け取ると、その期間の扱いに影響が出るため、請求前に日本年金機構・年金事務所へ確認することをおすすめします。

Q. 行政書士に何を相談できますか?

A. 当事務所では、帰国に伴う在留資格の整理、再入国許可・みなし再入国の意味、配偶者ビザの終了に関するご相談などをお受けします。脱退一時金の支給額計算や請求書の代理提出そのものは日本年金機構の手続領域のため、公式案内と年金事務所をご案内し、必要に応じて社会保険労務士等との連携も検討します。

帰国の決断をした外国人家族が次の一歩を考えるイメージ

帰国前に、在留資格の整理から一緒に確認しませんか

脱退一時金の請求可否は年金側の審査ですが、「再入国を残すか」「完全帰国か」「家族の在留はどうなるか」は在留資格の設計です。 出国スケジュールが決まる前のご相談がおすすめです。

全国47都道府県と、人口10万人以上の主要市区町村・東京都内23区・26市ごとに地域の実情に合わせたご案内を掲載しています。 お住まい・事業所のあるエリアからお選びください。

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