送り出し国ガイド|詳細版

インドネシア人材採用・送り出し機関選定ガイド

技能実習・特定技能・育成就労時代に、なぜインドネシアが注目されるのか

公表統計で確認できる事実と、送り出し機関・宗教・生活面の現場知見を分けて整理します。 「インドネシアが熱い」という話と、「送り出し機関選びを誤ると危ない」という警告はセットで理解することが重要です。

はじめに:ベトナムからインドネシアへ

日本の外国人材採用において、これまで中心的な存在だったのはベトナム人材でした。技能実習や特定技能では、建設、製造、農業、食品製造などの分野でベトナムが大きな存在感を持ってきました。

しかし近年は流れが変わりつつあり、特に注目すべき国がインドネシアです。人口規模、若年層の厚さ、経済成長、親日性、技能実習・特定技能での受入れ実績の増加という点から、今後の外国人材採用において非常に重要な国になると考えられます。

建設分野ではインドネシアがベトナムを上回る構造に

令和6年度の技能実習計画認定件数では、職種別に建設関係が25.1%で最多(令和5年度は23.6%)です。 建設関係の国籍別構成では、令和6年度はインドネシア40.1%が最多、ベトナム30.6%が続きます。建設分野に限れば、インドネシアがベトナムを上回る構造になっています。

建設業においてインドネシア人材は「これから伸びる国」だけでなく、すでに主力国の一つです。建設・施工管理の外国人採用ハブもあわせてご覧ください。

特定技能でもインドネシアは急速に追随

分野別(令和7年12月末)では、飲食料品製造業95,644人、介護67,871人、工業製品製造業57,576人、建設51,122人、外食業44,925人、農業39,234人などです。 技能実習から特定技能へ移行する分野では従来ベトナムの存在感が大きい一方、建設の技能実習でインドネシアが首位であること、特定技能全体でも2位まで伸びていることを踏まえると、今後さらに追随していく可能性があります。

特定技能ビザ(分野別ガイド)介護の外国人採用

育成就労制度と送り出し国選定の観点

技能実習制度に代わる育成就労制度では、外国人本人が送出機関に支払う費用について、日本で受け取る月給の2か月分を超えてはならないという上限が設けられる方向です(法務省・厚生労働省・外務省の整理資料)。 例えば所定内賃金が月20万円であれば、本人負担の上限は40万円程度になります。高額な借金・不透明な送出費用・ブローカー費用を抑えるうえで重要です。

見るべきポイント内容
二国間取決め・MOC国として適正な送り出しルートを作れるか
送出機関の管理能力費用・教育・候補者管理を透明化できるか
本人負担の抑制高額借金を防げるか
日本語教育の継続性来日前教育を維持できるか
分野ごとの供給力建設、介護、農業、製造などに供給できるか

この点でインドネシアは育成就労時代に非常に有力な送り出し国の一つです。

ミャンマーも重要国(費用・ルート管理に注意)

政治・経済情勢や送出ルートの安定性に注意が必要です。世界銀行は、ミャンマーについて政治的混乱・紛争・通貨下落・労働力不足・国外移動の増加などが経済活動に影響していると指摘しています。

  • 正規ルートで来日できているか
  • タイ経由などの迂回ルートで過大な費用が発生していないか
  • 本人が来日前から重い借金を背負っていないか
  • 送出機関・ブローカーの関与が透明か

ミャンマー送り出し国ガイドも参照してください。

なぜこれまでベトナムが強かったのか

  • 早い段階から日本向けの送り出し産業が整備されていた(日本語学校・送り出し機関・監理団体との関係)
  • 地理的・文化的に「日本で働く」イメージが浸透していた
  • 製造・建設・農業など、技能実習から特定技能につながる分野で供給ルートが強かった

近年はベトナム国内の賃金上昇、他国への就労選択肢の増加、過去の高額費用問題などもあり、日本側からは「以前ほど採用しやすい国ではなくなってきた」という声もあります。ベトナムガイド

インドネシアは「国単位」ではなく島・地域単位で見る

インドネシアは東南アジア最大の経済規模を持ち、世界第4位の人口を有する大国です。17,000以上の島々、300以上の民族集団からなる多様な国です。

ジャワ島周辺が中心でしたが、今後はジャワ島以外の地域からの送り出しルートが整備されていく可能性があります。採用では「インドネシアの送り出し機関」だけでなく、どの島・地域・学校・行政機関とつながっているかまで見ることが重要です。

1人あたりGDPから見た送り出し国の変化

インドネシアは経済成長しているが日本との賃金差はまだ大きく、地方には海外就労ニーズが残り、建設・介護・農業など日本側の不足分野と相性がある段階にあると考えられます。

インドネシア人材が伸びやすい分野

  • 建設 — 技能実習の建設分野で最多水準。若年層・地方からの就労ニーズとの相性が高い。
  • 介護 — 家族意識が強く相性がある分野。日本語・介護日本語の教育体制が整えばさらに伸びる可能性。介護ハブ
  • 農業 — 地方出身者との相性。寮・生活環境・宗教配慮が整えば定着可能性は高い。農業ハブ
  • 製造・食品製造 — ベトナムが強い領域も多いが追随の可能性。食品製造・外食では豚肉・アルコール業務との相性確認が必要。
  • 外食 — イスラム教徒の場合、豚肉・アルコール提供の有無、調理かホールか、本人の対応範囲を事前確認。外食ハブ

送り出し機関で注意すべき点

注意点理由
質問しても「大丈夫です」としか答えない実践的な日本語力・説明力が不足している可能性
学校の見た目だけ立派日本語教育・生活指導が弱い可能性
候補者に高利の貸付借金・失踪・転職トラブルにつながる可能性
面接合格後すぐ帰郷来日前教育が止まり、日本語力・意欲が落ちる可能性

現場で必要なのは「大丈夫です」と言う力ではなく、「わかりません」「もう一度教えてください」「礼拝の時間を休憩中に取りたいです」など状況を伝えられる日本語力です。N4・N3だけでなく、職場で説明できる力を確認してください。

宗教配慮は定着率を上げる運用設計

礼拝は1畳程度の清潔なスペース、更衣室の一角、休憩室などで対応できる場合があります。1回あたり5分程度で済むケースも多く、シフト内で調整可能です。 宗教配慮は「特別扱い」ではなく、休憩・更衣・シフト管理の一部として設計すれば、十分対応できるケースが多くあります。

現場で効果が報告される取り組み例(介護施設など)

  • 礼拝の簡易な場所を設ける… とある介護施設では、清潔な小スペースを確保しただけでも本人の喜びが大きく、離職防止につながったという取り組みがあります。大規模な専用礼拝室がなくても、運用で始められるケースがあります。
  • ラマダンのイフタール(夜の開斎食)… ラマダン期間中、日没後の開斎食(イフタール)を届ける・共有するなど、本人と職場の理解を深める工夫をする施設もあります。全員が断食するとは限らないため、本人ごとの希望確認が前提です。
  • ハラールなど食事面の配慮… 豚肉・アルコールの扱い、調理器具の使い分けなど、少しでも意識した施設では、採用・定着に成功した事例が介護分野でも報告されています。介護の外国人採用ハブ

ラマダン期間中は本人ごとに確認し、重労働の時間帯調整・高温作業への配置・周囲の理解共有など、無理のない範囲で調整することが大切です。建設・農業・製造・自動車整備・ビルクリーニングではシフト設計が特に重要です。

結論:インドネシアは主力国になりつつある

建設で技能実習の最多国、特定技能で2位規模、育成就労での送出費用透明化、人口・若年層・地方の開拓余地を踏まえると、インドネシアは今後さらに存在感を増す可能性があります。

成功の鍵は「インドネシア人材を採用すること」ではなく、送り出し機関の選定、日本語力の見極め、本人負担・借金の確認、宗教・生活面の受け入れ、来日後の定着支援です。

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  • 送り出し機関をどう選べばよいかわからない
  • 候補者の日本語力をどう見極めればよいかわからない
  • 技能実習・特定技能・育成就労の違いを整理したい
  • 建設・介護・農業で外国人材を採用したい
  • 礼拝やラマダンにどう対応すればよいかわからない
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