
事業承継 × 補助金
事業承継のあと、店を変える業態転換・設備投資と補助金の切り分け
承継はゴールではなく、既存の売り方・工程を見直す起点です。中小機構の補助金活用ナビが2026年8月に公開した事例は、いずれも新規の国旗艦制度ではなく、事業承継・引継ぎ(現・事業承継・M&A)補助金を使った取組の紹介です。本ページではその2本を軸に、いま相談で繰り返される論点を独自に整理します。
軸にした公式事例(中小機構・補助金活用ナビ):千葉・南房総の小売店舗をハンバーガー店へ転換した取組(2026年8月4日公開)と、福井・敦賀の和菓子店が包装を自動化し生産余力を新商品へ回した取組(2026年8月5日公開)。店名・数値の詳細は公式ページを正とします。当サイトは要約と制度の当て方のみを書いています。
1. 2つの公開事例から抜き出す「型」
型A|立地を活かした業態転換
道の駅前など、人の流れはあるが既存の売り方が弱い。承継を機に「何を売るか」を変え、改装と厨房を投資に載せる。計画の核はメニューと客層であり、内装見積だけではありません。公式事例では商工会の伴走が紹介されています。
公式事例を読む型B|工程の余力を新商品へ
老舗でも包装・箱詰めがボトルネックだと、味以外で伸びません。自動化は「人を減らす」ためだけではなく、余った時間で新商品や品質を積むための投資として語ります。公式事例では生産量が約1.2倍になった旨が紹介されています(数値は公式の記載)。
公式事例を読む公開事例の採択年度は令和6年度・令和3年度など過去回次です。いま申請するなら中小機構のスケジュール表の第16次(申請開始2026年10月2日〜締切11月6日17時)など、現行回次の要領が正です。過去事例のコピー申請は通りません。

2. この類型の事業者プロフィール(一般化)
想定する相談
親族内・従業員承継のあと、既存の売り方が続かない/工程が人手依存
投資の中身
改装・厨房、包装・製造の自動化、専門家と計画づくり
補助金の主軸
事業承継・M&A補助金(経営革新枠など)。大型新分野は統合後継も検討
計画で先に決めること
誰に・何を・どの工程で余力を生むか。機械のカタログだけではない
地域の伴走
商工会・商工会議所の経営指導とセットになりやすい
別軸
売り手不在・第三者承継そのものはM&A支援(補助金申請とは別メニュー)
3. 相談で詰まりやすい論点
「承継した事実」を申請理由にしている
審査が見るのは承継後の変化です。客層・商品・工程のどこが変わるかを一文で言える状態にしてから経費を並べます。
機械を先に決めて物語が後付け
包装機・厨房機器は手段です。余った時間で何を増やすか(新商品、営業日、品質)が無いと投資が説明できません。
業態転換なのに許認可・衛生・立地を後回し
小売から飲食へなど、許可・設備基準が変わる転換は、補助金の見積より先に開業可否を確認します。
M&A費用と経営革新投資を混ぜている
専門家報酬・仲介と、店舗・設備の経営革新は枠が違います。売り案件の相談はM&Aナビ、設備・転換は本ページの切り分けです。
4. 制度の当て方
事業承継・M&A補助金(経営革新枠など)
上限額(目安)
枠・類型により数百万円〜(要確認)
補助率等
補助率は公募要領で確認
時期・準備
第16次:申請開始 2026年10月2日(金)〜締切 2026年11月6日(金)17時(中小機構スケジュール表・2026年9月4日更新)
対象経費例:店舗改装、厨房・包装等の設備、専門家経費(対象範囲は要領次第)
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(統合後継)
上限額(目安)
最大9,000万円前後(枠・類型による・要確認)
補助率等
1/2〜2/3(要件による)
時期・準備
第1回申請 2026年9月30日〜10月30日(公式スケジュール表で再確認)
対象経費例:建物改修、設備、システム、広告、外注等
小規模事業者持続化補助金
上限額(目安)
最大200万円前後(類型・特例で変動・要確認)
補助率等
2/3など(公募類型による)
時期・準備
回次ごとに設定(商工会議所様式・GビズIDの準備が先)
対象経費例:WEB、チラシ、看板、地域広告(ウェブサイト関連費等に上限あり)
IT導入補助金(デジタル化・AI導入)/省力化投資
上限額(目安)
枠により異なる(要確認)
補助率等
枠による
時期・準備
デジタル化・AIは回次締切。省力化一般型は第8回が申請開始見込み(日程は公式で確認)
対象経費例:登録ITツール、カタログ該当の省力化製品等
投資の組み立て(イメージ)
- ・主軸:承継後の経営革新(改装・厨房・包装自動化・計画)
- ・サブ:転換後の告知は持続化、レジ・予約はIT導入
- ・別メニュー:第三者承継・売却そのものはM&Aナビ
- ※ 金額・採択は保証しません。同一経費の重複申請は原則不可。
5. 各制度の使い方
★ この類型の主軸
事業承継・M&A補助金(経営革新枠など)
「承継した」だけでは足りません。承継後に何を変えるか(商品・客層・工程)が計画の核です。名称は旧・事業承継・引継ぎ補助金から事業承継・M&A補助金へ移行しています。回次・枠は必ず最新要領で確認してください。
活用イメージ:
- 承継をきっかけにした業態転換(小売から飲食など)と内装・厨房
- 包装・製造工程の自動化で余力を新商品・販路に回す
- 商工会・会議所の伴走を前提にした経営革新の言語化
大型の新分野なら別軸
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(統合後継)
既存事業と明確に異なる新事業・革新性が求められる類型です。承継後の小規模な業態転換は、まず事業承継・M&A補助金側で足りるかから見る方が多いです。同一経費の重複申請は原則不可。
活用イメージ:
- 承継後に全く別市場へ本格進出する設備・改修
- 革新枠相当の新製品・新サービス
広報のサブ
小規模事業者持続化補助金
改装・大型設備の主軸にはしません。転換後の「誰に届けるか」の告知・MEO・メニューページに向きます。小規模要件の確認が必須です。
活用イメージ:
- 転換後の店名・メニュー・予約導線
- 道の駅・観光客向けの地域広告
工程DXの候補
IT導入補助金(デジタル化・AI導入)/省力化投資
包装機そのものは事業承継・M&A補助金や省力化の対象になり得ますが、レジ・予約・在庫のクラウド化はIT導入側です。カタログ該当と「経営革新」の物語を混同しない。
活用イメージ:
- 予約・会計・在庫のクラウド化
- カタログ型の省力化機器が合う工程
6. 経費の置き場(例)
| 経費区分 | 想定 | 狙い |
|---|---|---|
| 店舗改装・客席・動線 | 規模による | 転換後の客に合わせた「売場」にする |
| 厨房・製造設備 | 規模による | 新メニュー・衛生・生産性 |
| 包装・シール等の自動化 | 規模による | 人手を新商品・接客に回す余力 |
| 専門家・計画策定 | 要領の対象範囲 | 経営革新の言語化・伴走(代行費は対象外のことが多い) |
| WEB・看板・地域広告 | 持続化側が向きやすい | 転換後の認知。大型改装の主軸にはしない |
- 交付決定前の発注は避ける
- 補助対象・補助率は当該回次の公募要領で再確認する
- 申請代行費そのものは対象外になりやすい
7. 推奨アクション
- 承継の事実(いつ・誰から)と、いま困っている工程・売上構成を箇条書きにする
- 転換後の「誰に何を」を一文にする(観光客向け店か、地元の贈答か、など)
- GビズIDプライム。未取得なら申請より先
- 改装・設備の相見積と、交付決定前発注を避ける工程表
- 商工会・会議所へ相談できる論点(革新計画の言葉)を整える
- 飲食転換なら許可・消防・排水など開業条件を先に確認
- 申請開始 2026年10月2日〜締切 11月6日17時(公式表)。様式公開後に経費を枠へ割り当てる
- 持続化・IT導入へ回す広報・クラウドは別紙で切り分け、重複を避ける
- 採択は保証しない前提で、つなぎ資金を別途見る
よくある質問
中小機構の事例記事は新しい補助金の公募ですか?
いいえ。補助金活用ナビの「活用事例」です。制度そのものの特設ページではなく、過去の採択・取組の紹介です。最新の受付は公式スケジュール表で確認します。
小売から飲食への転換は、どの補助金が近いですか?
承継をきっかけにした経営革新として、事業承継・M&A補助金を第一候補にすることが多いです。転換の規模が大きく新事業性が強い場合は統合後継も比較します。許認可は補助金と別です。
包装の自動化は省力化投資補助金ですか?
工程改善だけなら省力化も候補です。承継後に余力を新商品へ回す「経営の作り変え」として語るなら事業承継・M&A補助金側で整理することがあります。カタログ該当と物語を混同せず、要領で切り分けます。
8. サポート範囲と料金
承継後の経営革新と、新事業進出・持続化・IT導入の切り分け
事業計画・経費リスト・見積の整理
GビズID・電子申請の段取り
採択後の交付・実績報告までの伴走
第三者承継・売却検討はM&Aナビへ接続
融資・つなぎの論点整理(実行は金融機関判断)
料金プラン(補助金・助成金共通)
スタンダードプラン:着手金100,000円(税別)+成果報酬20%(税別)
完全成果報酬プラン:着手金0円・成果報酬率は応相談(20%超)
※ 採択されなければ追加報酬は発生しません。採択・受給は保証しません。

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